むし歯は「痛くないから放置」が一番危ない
2021年11月16日
皆さんこんにちは。
ひらの歯科クリニックです。
むし歯が重症化してご来院になる患者さんがよくおっしゃるのが、「むし歯になったけれど、痛みがなくなったから放置していた」というものです。
ですが、むし歯は「痛くないから大丈夫」ではありません。
奥歯の溝に、白い斑点ができたのを見たことはありませんか?
これは専門用語で「ホワイトスポット」と言われる状態で、初期のむし歯に分類されるものです。
ホワイトスポットは、歯の表面のエナメル質が酸性になることで、エナメル質のカルシウム成分が少なくなる「脱灰」と呼ばれる現象が進んだ状態です。
よく、歯科検診などで歯科医師が「C0、C1」と言いますが、ホワイトスポットは「C0」の状態で、ブラッシングやフッ素塗布だけで治療することが可能です。
「ホワイトスポット」の状態からむし歯が進行すると、その部分が黒ずんできます。
これは、歯の表面のエナメル質がさらに溶かされてしまった状態です。
まだ、しみる・痛むなどの自覚症状がない場合も多いです。
これは「C1」の状態で、早い方はこの状態で「むし歯になった」と自覚します。
飲食をしたとき、冷たいものや甘いものがしみることがあります。
これは、エナメル質の内側の象牙質にまでむし歯が進行している状態です。
「C2」と呼ばれ、生活に支障をきたしてくるため、歯科医院を受診する方も増えてきます。
ほとんどのが「むし歯になった」と思うのは、歯が痛くなったときでしょう。
これは、象牙質の内側の神経にまでむし歯が進行している状態です。
神経までむし歯が達してしまっているせいで、何もしなくてもズキズキと痛みます。
「C3」と呼ばれる状態で、かなりむし歯が進行してしまっているので「根管治療」なども必要になってきます。
「歯冠部」と呼ばれる、歯ぐきから上の見える部分がほとんど壊れ、歯の根っこだけが残った状態は「C4」と呼ばれます。
歯の神経が死んでいるので痛みは感じませんが、炎症はさらに顎の骨まで進行することもあります。
根管治療で治せる場合もありますが、最悪の場合は抜歯の必要があります。
この段階までむし歯が進行すると、顎の骨まで感染する恐れがあり、骨膜炎を起こして顔が大きく腫れてしまいます。
歯は削ってしまうと再生することができないうえ、そのたびにもろくなってしまい、歯を失う可能性がでてきます。
むし歯にならないことがベストですが、歯の異変に気づいたらすぐ受診するほか、症状がなくても定期的に歯科検診を受けて早期発見・早期治療ができるようにしましょう。